会社分割の活用法
組織再編は私の専門分野の一つですが、その中に会社分割という組織再編手法があります。要は合併の反対で一つの会社を2つに分割するだけのことですが、とても使い勝手がよくいろいろな場面で利用します。例えば・・・
・企業再編
会社のA部門とB部門を独立採算制にするため二つの会社に分けたり、逆に重複する部門を統合したり、持株会社を作るために利用することもできます。
・企業再生
会社分割は企業の再生にも使えます。簡単に言うと、会社のいい部分のみを会社分割で切り出し、悪い部分は清算してしまいます。これは、一般的に第二会社方式といわれる手法です。
・相続対策
相続対策では会社を二つに分割して長男と次男にそれぞれの会社を承継したり、相続税対策の中で利用するような場合もあります。
・M&A
会社の売却したい事業部門を会社分割で切り出し、その会社を売却します。事業譲渡でも同じことができますが、会社分割の方が税務面でも法務面でもメリットが多いです。ただし、デメリットもない訳ではないので、あえて事業譲渡を選択するケースもあります。
これらは最も単純な事例ですので、実際は状況に応じて応用的な会社分割を使ったり、他の組織再編等と組み合わせていくことも多いです。それぞれの細かい話は少しずつ書いていこうと思います。
このようにとても使い勝手のいい組織再編ですが、実行する際は、法務、会計、税務、許認可等複数の専門家が共同して作業を行います。失敗した時のリスクはかなり大きいため、実行する場合は必ず専門家に相談されることをお勧めします。私も多くの失敗事例を見ているので・・・
2012年1月24日